AIを用いた学生支援の充実に関する研究を開始
~学生支援の質的・量的向上と教員負担軽減の両立を目指す~
北海道科学大学(北海道札幌市手稲区)と株式会社マインドシフト(本社:東京都中央区)は、当社が開発した二つのAI(人工知能)推論エンジンおよびAI類似文書エンジンを活用することにより、進路指導などの学生支援活動の質的向上を実現しつつ、教員の業務負荷の軽減を達成するための研究を開始します。
ポイント
◆研究内容
・AIを活用して学生指導のパーソナライズを実現する研究
◆効果
・学生支援業務の質的平準化
・学生のAIへの関心、理解向上によるAIを活用した研究の質的・量的向上
・教員の業務負荷軽減
概要
◆背景
価値観の多様化や雇用の不安定化などの近年の社会情勢の変化によって注目されつつある大学の学生支援業務ですが、その具体的な方法論については教員の経験則に基づく部分が多く、質・量ともに不均質であるのが現状です。また、ポートフォリオ(目標達成の記録)、個別面談など、学生支援を充実させるための取り組みの中には教員の負担が大きいものもあり、教員のワークライフバランスの悪化や、その他の業務に割ける時間の減少といった問題を生じています。
◆研究の意義
学生の潜在的な欲求をAIによって推定し、進路支援のありかたをパーソナライズすることで、学生の学生生活に対する満足度を向上させることができると考えられます。このことは、次のような効果をもたらします。
・学生の勉学、その他自己研鑽に対するモチベーションの向上
・的確な指導による学生個人の学習能力向上
これらの効果は、学生の学力伸長を加速し、同大学の掲げるスローガン「+Professional」を実現することに繋がります。
本研究は、上記の構想を実現する具体的方法を考案し、その効果を実現することによって、高度な専門性を有する人材を育成する方法を確立することを目的としています。
◆計画
令和1年11月から開始する、北海道科学大学工学部情報工学科の卒業研究テーマ(指導教員:松崎博季教授、学生:2名)において、推論エンジンを用いた学生支援システムの構築に向けた準備を開始しました。来年度以降、学習データを充実させ、学科横断的な検証作業を開始。そして就職支援センターにおいて実証実験を行い、実用化の可否を評価します。
◆将来
類似文書エンジンをシステムに統合し、学生が作成した自己PR文などの文書と卒業後の進路の関係を分析し、学生に対する修学指導や進路指導など、総合的な学生支援での活用を目指します。
解説
◆推論エンジン
利用者との対話的なやりとりから、利用者の考えを推定するシステム。やりとりの中に不正確な回答があっても確率的に正答を導き出すことができる特徴を持つ
<当社推論エンジンの特徴>
- 質問順序の自動選定
各知識の相関から質問の順番を自動的に設定します。このため、利用者に対して無意味な質問をスキップして、最適な回答を最短で導出することができます。 - 曖昧な回答でも対話が成立
通常は質問に対して曖昧な回答や間違った回答を行うと結果に辿り着く事はできませんが、曖昧な回答を許す対話型エンジンの為、正解に辿り着く事ができます。 - 間違った回答でも対話が成立
知識を多めに与える事で、回答を間違えても、質問回数を調整することで、正解に辿り着く事ができます。 - 知識データの登録と修正作業
知識データの登録および設定はワープロ操作よりも簡単です。正解が得られなかった場合でも、答えが判明した後で、知識や回答のどこに間違いがあったかを示すことができ、知識の修正が容易にできます。 - 質問と回答候補の影響度設定
質問と回答候補との関係を影響度であらわす事ができ、ある質問に回答した時に、影響度が高いほど回答候補の可能性が高まります。
◆類似文書検索エンジン
入力された文書と登録済みの文書を比較し、相関関係を計算するシステム。キーワード検索と異なり、単語的に一致していなくても類似性を計算することができる。
<当社類似文書エンジンの文書処理機能>
- 検索処理
キーワードに限らず文書による検索も可能です。
例えば、お客様からのメールでの問合せ文をキーに過去の類似した問合せ文を検索できます。 - 辞書作成機能
検索処理の機能を補強するために辞書作成機能を装備しています。
辞書に登録するキーワードには重要度を指定することができ、特定の単語を重視させることができます。 - 重要度の補正
ありふれた文要素は無視し、特徴的な文要素を見つけて文書を推薦します。
例えば、社内でよく使われる専門用語は重要度が高くなり、このキーワードが検索対象に含まれると文書推薦スコアは高くなります。
◆+ Professional
ヒューマニティ、コミュニケーション能力、問題発見・課題解決能力、マネジメント能力といった基盤能力を基に、専門性を身につけた人材を育成するという北海道科学大学のスローガン
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社マインドシフト
総務・人事部
Email:info@mindshift.co.jp